少年シニア 55歳から味わう国語

50半ばから人生を味わうために国語力アップを目指す記録・顛末

辞書を読む(新明解国語辞典)

  

新明解国語辞典 第6版 並版

 

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  井上ひさし氏は、著書「作文教室」で、作文を書こうとする者は、常に辞書を携帯しなければならないと説きます。また童門冬二氏は、著書「50歳からの勉強法」で、独自の学習法として辞書を毎日読むことをあげています。そして先日、亡くなった赤瀬原平氏三省堂の「新明解国語辞典」を高く評価していたと読売新聞の編集手帳が伝えています。赤瀬川氏は、新明解の言葉の定義の鋭さとウィットに舌を巻いており、その一例として「読書」ということばの例が紹介されているのですが、確かにこれは言い得て妙な説明でした。

 

読 書)

研究調査や受験勉強と違って、一時現実の世界を離れ、精神を未知の世界に遊ばせたり、人生観を確固不動のものたらしめたりするために、時間の束縛を受けることなく本を読むこと。寝っ転がって漫画本を見たり電車の中で週刊誌を読んだりすることは、勝義での読書には含まれない。

 

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    私はこの意味に100%賛成する者ではありません。私は、読み手が書き手とあたかも対話しているかの如くに感じれる場合を読書と考えている者で、寝っ転がって読もうが、漫画だろうが対話を促すのであれば読書だと思っています。また人は現実の世界を離れるためだけではなく、現実の世界でよりよく生きるために書を読むのも読書だと思います。

しかし、その上でこの新明解辞典の読書の説明は、編纂者の矜持が感じられ実に魅力的です。「読書」以外の言葉も少し見てみましょう。

恐妻家)

 妻の発言力が強く、何かにつけて、いつもその言いなりになっている夫。

(愛妻)

 かけがえのない伴侶として末永く連れ添えることを願っている(自分の)妻

 

恐妻家についてはポイントは「何かにつけて」ですね。この全面的な敗北感が恐妻家の哀しさを表現していると思いますね。愛妻のポイントは「末永く連れ添えることを願っている」ですね。実に男のけなげな心根を表現しています。

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 辞書を読むと、言葉のもつ微妙なニュアンスについての理解が深まります。辞書は、必要が生じたときに引くという消極的活用から、必要が生じなくとも、こちらから言葉に肉薄してみるという積極的活用にシフトすることで、言葉と友達になれるかも知れません。