少年シニア 55歳から味わう国語

50半ばから人生を味わうために国語力アップを目指す記録・顛末

学び方を学ぶ                (加藤秀俊 独学のすすめより)

独学のすすめ (ちくま文庫)【使用教材】独学のすすめ 著者 加藤秀俊 2009年10月刊 筑摩書房

           

 本書は、いわゆるノウハウ本ではなく、学ぶ姿勢の在り方についてを問う本です。ひとことで言えば「主体的に学ぶことが一番重要であり知識が身に付く」ということを様々な角度から語った本と言えます。表題は「独学のすすめ」とありますが、決して学校という形態を否定しているわけでもなく、他者から学ぶことを否定しているものではありません。著者が問題にしているのはあくまでも学ぶ側の主体性一点にかかっているのです。

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    おそらく著者は、学校から提示された授業を聞いているだけで学んでいると勘違いしている学生に腹立たしさと大きな不安をもっているものと思います。会社の研修なども同様の傾向がありますが、こうしたものは教育する側の意図や伝えたいことがあって提示されるものであり、それだけを学んでいたのでは、本当に自分の身となる知識は身につきません。マッキントッシュを世に送り出したジョブスが大学を中退して、本当に自分に興味にあるものを貪欲に学んだときから、彼の本当の意味での人生がスタートしたのは、まさにそういうことなのでしょう。やりたいことが明らかになったとき、何も学校に行くことだけが道ではなく自学自習で知識を吸収していく方法もある。つまり独学というスタイルもあるんだということを実例も示しながら読者に伝えたいというのが著者の意図です。

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私自身も、現在独学スタイルで学んでいますが、その理由は以下の通りです。

①独学の方が時間や場所にとらわれずに勉強できる。

②独学の方が自分の学びたいことに集中して勉強できる。

③独学の方がお金がかからない。

④独学の方が主体性を確保できる。(逆に言えば主体性を持たざるをえない)

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 公教育というのは「これだけやっておけば大丈夫ですよ」という形で提示されるわけですが、ここに学ぶ人間にとっての落とし穴があると思います。学ぶ内容云々より授業を受けているということで安心してしまい更に深堀しようとする姿勢が失われるリスクがあります。また先生を選べないケースも圧倒的に多いですね。本来勉強というものは、教わりたい人から教わるものだと思います。弟子が師匠を選ぶのです。独学の過程で、素晴らしい著者に出会う、実際に教えを乞いたいと思って、その人に直接教えを乞える場を探す、そうした形で独学から教わるスタイルに転換していくのが本来のあり方ではないでしょうか。