少年シニア 55歳から味わう国語

50半ばから人生を味わうために国語力アップを目指す記録・顛末

図書館を知ろう(どうかお静かにから)

 【使用教材】 どうかお静かに 著者スコット・ダグラス 訳者 宮澤由江 2012年10月刊 文芸社

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 図書館に大変お世話になっている私にとって、その運営の裏側がどんな感じなのか大変興味があります運営側が利用者のニーズやその背景を理解することが必要なように、利用者側も運営者側の目指していることや実情を知ることが、よりよい図書館づくりのために必要だと思います。本書は、米国のアナハイムという小さな町の公立図書館司書が、自分自身のキャリア形成の過程を語るとともに、現場で遭遇した内外の出来事を、かなりあけすけに語った本です。

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 本好きの著者は、大学在学中より図書館ページ(アシスタント)として働きはじめますが、想像していた世界とは全く異なることを知るようになります。内にあっては本を読まない司書 便宜上の利用者数を増やすことにのみ関心をもつ館長 暇にかこつけて始業時間中にもゲームに興ずる職員 外にあっては、強い自己主張で館内ルールに反発する高齢者 備品を盗むティ-ンエージャーなどびっくりするような実態がこれでもかこれでもかという具合に紹介されます。著者もそうした困った人たちに振り回され、対応をせまられるのですが、そんな中でこうした困った人にもひとつひとつそれなりの背景があることを知って、状況によっては一定の理解をしめすようになっていきます。本書が時に人に対してきつすぎる表現で語られながらも、読後感が結構さわやかなのも、著者が利用者や同僚・上司の立場もふまえ人間として成長していく様子が綴られているからだと思います。

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 日本でもありますが、こどもへの読み聞かせを著者が行うシーンがあります。米国でも読み聞かせ役は女性が担当するのが一般的なようですが、ある日上司から男性である著者に読み聞かせの代役を命じられます。普段から利用者に素っ気ないところのある著者は嫌でしようがないのですが、仕方なく承諾します。最初はこどもたちに通常の読み聞かせの担当者との違いを指摘され傷つくも、最後は意外にもこどもに受け入られて、図書館に本の貸し出しや図書室の運営管理以外にも重要な役割があること、そして図書館の主人公は利用者であり、利用者から喜ばれることが仕事の本道であることを著者は身に染みて体験します。

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 私も暇をみて色々な図書館にでかけていますが、昔ながらの少しお役所的な雰囲気はなくなり開放的でサービスも向上し利用者と一緒に図書館をよりよくしていこうという姿勢を感じます。そんな中で一部ではありますが、利用者側のマナーの悪さに首をかしげるシーンもあります。今後図書館は文化の発信機能や市民の学び楽しみの場として益々重要になると思いますので、私自身も含め利用者側も皆が気持ちよく活用できるようマナーに留意するとともに、ともにいい図書館に育てていくよう声をあげていく姿勢が必要と思いました。